2017年01月 一覧

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エンジン問題12

問題

図に示すガソリン・エンジンにおける燃焼と圧力変化に関する記述として、不適切なもの
次のうちどれか。

(1) 吸入行程で吸入された混合気は、圧縮行程で生じる圧縮熱によって温度が約400℃まで
上昇し、点火されやすい状態となる。

 

(2) A点で点火すると、点火部を中心とする小範囲の混合気が燃焼を起こし、その燃焼熱に
よってB点から急速に火炎伝播して急激な燃焼が行われる。

 

(3) A-B間は点火された部分の混合気が燃焼、拡大して燃焼を継続し得るだけの火炎核を形成
する期間である。

 

(4) B点から本格的に燃焼が広がり、C点でシリンダ内が最高圧力になると同時に燃焼が終了
する。

 

 

 

解説

① これは適切な文章です。
注目は混合気が圧縮により約400℃まで上昇し、着火しやすくなるということ。

 

② これも適切な文章です。
ここで覚えたいことはプラグの火花が発生しても瞬時に混合気全体が燃焼を始める
のではなく、まず、プラグの火花の周りに火炎核という火種ができることである。
AからBまでの間で火炎核が生成され、そこから一気に混合気が燃焼を始めるのである。

 

③ これも適切な文章です。
②で説明したのでそれを参照してください。

 

④ これが不適切な文章です。
何が不適切かというとC点で最高燃焼圧力になるのは正しいが、燃焼はC点では終わらず
D点で終わる。

解答 ④

 

 

 

 


エンジン問題11

問題11

ピストン・リングに関する記述として、不適切なものは次のうちどれか。

 

(1) スカッフ現象は、オイルの不良や過度の荷重が加わったとき、あるいはオーバーヒート
した場合などに起こりやすい。
(2) アンダ・カット型のコンプレッション・リングは、外周下面がカットされた形状に
なっており、一般にセカンド・リングに用いられている。
(3) フラッタ現象が起きると、ピストン・リングの機能が損なわれ、ガス漏れによる
エンジン出力の低下、オイル消費量、リング溝やリング上下面の異常摩擦などが促進
される。
(4) ピストン・リングには、耐摩耗性、耐熱性及びオイル保持性などが要求されるため、
一般にコンプレッション・リングの材料はアルミニウム合金で、オイル・リングは
ケルメット又はアルミニウム合金で作られている。

 

 

 

解説

 

①これは正しい文章です。
スカッフ現象はリングとシリンダの間の油膜が切れてシリンダに傷が入ることを言う。

②これも正しい文章です。
アンダカット型リングはオイルを掻き落とす性能に優れているのでセカンドリングに
よく利用されている。

③これも正しい文章です。
フラッタ現象はリング溝などの摩耗や、ピストンスピードが高すぎたりすることによ
り、リングが溝の中で浮き上がり振動する現象で出力の低下やさらに溝の摩耗が促進
される。

④これが不適切な文章である。
正しくはコンプレッションリングには一般に特殊鋼または炭素鋼が、オイルリングには
炭素鋼が使用される。

 

 

解答 ④

 

 

 


工学・整備機器問題07

問題07

シリンダ・ヘッドとピストンで形成されるスキッシュ・エリアに関する記述として、適切なものは次のうちどれか。
(1) 吸入混合気に過流を与えて、燃焼時間を長くすることで最高燃焼ガス温度の上昇を促進させている。
(2) スキッシュ・エリアの厚み(クリアランス)が大きくなるほど渦流の流速は高くなる。
(3) 吸入混合気に過流を与えて、吸入行程における火炎伝播の速度を高めている。

(4) 斜めスキッシュ・エリアは、斜め形状による吸入通路からの吸気がスムーズになり、強い過流の発生が得られる。

 

 

 

回答 ④

 

 

解説

①もともとスキッシュエリアの目的は燃焼速度を早く終わらせることによって最高燃焼ガス
温度を下げ有毒な排気ガスの排出を抑える目的がある。勿論そのほかにも燃焼効率の
アップや燃費向上、ノッキング防止などがある。
燃焼時間を長くするとか、燃焼温度を上げるということは、反している。

②圧縮した時の圧縮度が大きいほど過流の速度は速くなる。
つまり、スキッシュエリアが大きいより小さく圧縮したほうが過流は速くなる。

③吸入工程に火炎は存在しない。燃焼は圧縮後燃焼過程において行われるもの。

④混合気を吸入するとき、バルブから入り込む混合気が入りやすい構造である。
したがって吸入時の混合気の流速を過流の速度にプラスしている。

 

 

 

 


工学・整備機器問題06

エンジンの諸損失に関する記述として、適切なものは次のうちどれか。
(1) 機械損失は、潤滑油の粘度やエンジン回転速度による影響が大きく、冷却水の温度による影響は受けない。

(2) 熱損失は、ピストンやピストン・リングなどの摩擦損失とウォータ・ポンプ、オイル・ポンプなどの補機駆動の損失からなっている。

(3) ポンプ損失(ポンピング・ロス)とは、燃焼ガスの排出及び混合気を吸入するための動力損失をいう。

(4) ふく射損失とは、燃焼室壁を通して冷却水へ失われる冷却損失や排気ガスにもち去られる排気損失からなっている。

 

 

回答 ③

 

 

解説

①機械損失は冷却水の温度による影響は大きいです。
そのわかりやすい例として潤滑油ですが、オイルは温度による粘度の変化が大きく、
温度が低いと粘っこく、高いとサラサラになります。当然粘っこいと抵抗は大きく
なります。

②熱損失とは、冷却損失、排気損失、ふく射損失があり、摩擦損失や機械損失は含まれ
ません。冷却損失はシリンダブロック壁から熱を熱量が奪われ、排気損失は排気ガス
の中にまだエネルギーとしての力が残っているものを捨てている。
ふく射損失はシリンダやシリンダヘッドなどから空気中や周りの物体へ熱を放散して
いる。

③ポンプ損失とはピストンが排気ガスをシリンダから押し出したり、混合気を吸い込んだり
するときのエネルギーの損失を言います。(正解文)

④ふく射損失とは先ほどの熱損失での説明の通りです。