コンロッドベアリングの関連問題その1
コンロッド・ベアリングに関する記述として、適切なものは次のうちどれか。
①アルミニウム合金メタルで、すずの含有率の低いものは、高いものに比べてオイル・クリアランスを大きくする必要がある。
②トリメタル(三層メタル)は、鋼製裏金にケルメット・メタルを焼結し、その上に鉛とすずの合金又は鉛とインジウムの合金をめっきしたものである。
③アルミニウム合金メタルは、アルミニウムに40~50%のすずを加えた合金である。
④クラッシュ・ハイトが大き過ぎると、ベアリング・ハウジングとベアリングの裏金との密着が悪くなり、熱伝導が不良となるので焼き付きなどを起こす原因となる。
解答
①これはすずの含有率が低いものではなく高いものとすると正しい文章になる。
なぜすずの含有率が高いものはオイルクリアランスを大きくする必要があるのか、それは、すずの含有率の高いものはなじみ性や耐摩耗性には優れているが、熱膨張率が大きいので、オイルクリアランスを大きくしないといけないのである。
②トリメタル(三層メタル)は、鋼製裏金にケルメット・メタルを焼結し、その上に鉛とすずの合金又は鉛とインジウムの合金をめっきしたものである。
これは正しい文章でその通りである。
③アルミニウム合金メタルは、アルミニウムに10~20%のすずを加えた合金である。
とすれば正しい文章となる。
④クラッシュ・ハイトが大き過ぎると、ベアリング・ハウジングとベアリングの裏金との密着が悪くなり、熱伝導が不良となるので焼き付きなどを起こす原因となる。
これはクラッシュハイトが小さい場合である。
逆に大きすぎる場合はベアリングが波打って局部的に強く接触し、ベアリングの早期破損の原因になる。
クリアランスの測定はプラスチゲージと呼ばれる細いプラスチックの糸のようなものをジャーナルとベアリングの間に挟んで規定トルクでキャップを締め付けてそのゲージの圧縮状態で隙間を確認できる。おおよそ5μm位だと思えばよい。
解答 ②